塚も動け我泣声は秋の風

【意味】一笑よ、君の塚(墓)を目の前にしているが、生前の君を思って大声で泣いている。あたりを吹き抜ける秋風のように激しくわびしい涙なのだ。塚よ、私の呼びかけに答えてくれ!

この句が詠まれた章≫ 金沢


ここで「塚」とは「墓」のことです。
昔は大げさな墓なんて作らず、ちょんと塚を築いた程度
だったようです。

初句「塚も動け」から、力の入った句です。
「動け」の末尾の「ゴケ」を強く弾きすぎないように、
自然な語尾になることが、大切です。

実際に目に手をこう当てて、号泣するようなポーズで
読むと、気持ちがこもります。

この句が詠まれた章≫ 金沢

朗読・訳・解説:左大臣光永