一家に遊女もねたり萩と月

【意味】みすぼらしい僧形の自分と同じ宿に、はなやかな遊女が偶然居合わせた。その宿にわびしく咲く萩を、こうこうと月が照らしている。なんだか自分が萩で遊女が月に思えてくる。

この句が詠まれた章≫ 市振


すごくキレイなかんじの句です。物語世界に迷い込んだようじゃないですか。
萩、遊女、月という道具立て。すばらしい。

特に結句の「月」はカッコよく止めたいところです。

初句「一つ家に」ですが、語尾「イ」がけっこう難しいです。
ノドが未熟な頃は必ずここの「イ」が歪みました。

まず大声で「イイィーー」と発声練習するのがいいです。
そうすることで、ノドのジャリジャリが突き抜けるというか。

この句が詠まれた章≫ 市振

この句が詠まれた章≫ 越後路

朗読・訳・解説:左大臣光永