松島や鶴に身をかれほとゝぎす

【意味】ここ松島ではほととぎすはそのままの姿ではつりあわない。鶴の衣をまとって、優雅に見せてくれ。

この句が詠まれた章≫ 松島

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曾良の句です。【鶴】>【ほととぎす】 という前提です。

あんなに楽しみにしていた松島なのに、なぜか芭蕉自身の句が無いんです。あまりの素晴らしさに句が出てこなかったのか、演出上の意味があるのか…。

「松島やああ松島や松島や」と詠んだなんて話がありますが、現在ではこれは芭蕉の作ではないと考えられています。江戸時代の狂歌師田原坊の作との説が有力です。

司馬遼太郎さんが「街道をゆく」の中で、「芭蕉がそんなヒドい句を作るわけがない!」みたいなことを書いてました。

ほととぎすは和歌や俳句にはとてもよく出てくる鳥です。百人一首の「ほととぎす鳴きつる方をながむれば…」が有名です。

ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる」(後徳大寺左大臣)
↑こちらで朗読しています。

この句が詠まれた章≫ 松島

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朗読・訳・解説:左大臣光永