象潟や雨に西施がねぶの花
【意味】象潟の海辺に合歓の花が雨にしおたれているさまは、伝承にある中国の美女、西施がしっとりうつむいているさまを想像させる。
この句が詠まれた章≫ 象潟
蘇東坡(蘇拭)の詩「飲湖上初晴後雨(湖上に飲む、初め晴れ後雨ふる)」を踏まえます。
「西湖をもって西子に比せんと欲すれば 淡粧濃沫総て相宜し」
蘇東坡「飲湖上初晴後雨」
↑こちらで朗読しています。
西施は中国春秋時代の美女。
越王勾践は呉王夫差を堕落させるために西施を送り込みます。
呉王夫差は見事にその策略にハマり、西施を溺愛。
国政がおろそかになり、とうとう越王勾践によって滅ぼされたということです。
王昭君・貂蝉・楊貴妃と並び、中国四大美女の一人と数えられます。
李白の詩「蘇台覧古」に、西施のことが詠まれています。
この句が詠まれた章≫ 象潟
朗読・訳・解説:左大臣光永