田一枚植て立ち去る柳かな
【意味】西行法師ゆかりの遊行柳の下で座り込んで感慨にふけっていると、田植えをしているのが見える。(私は?)田んぼ一面植えてしまうまでしみじみと眺めて立ち去るのだった。
この句が詠まれた章≫ 殺生石・遊行柳
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「田」と、いきなり一文字の名詞から始まります。
ぼくはこれ読むとき、「タ!!!」と気合入れすぎてしまい、
続く「一枚」が息切れになっちゃうことが、よくあります。
「タ」行は舌をはじいて出す音ですから、
気合入れすぎるとツバが飛ぶし、ムダに息がもれるんですね。
舌と歯茎の裏がまだ触れ合っていない状態から、
じょじょに「……タ…」と入っていくのがいいと思います。
「よし、『タァッ』て決めるぞ。一発目、叩きつけるぞ」とか、
余計な気合をこめないほうがいいです。
ロクなことにならないです。
この句が詠まれた章≫ 殺生石・遊行柳
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朗読・訳・解説:左大臣光永