那須
「奥の細道」随一の、のんびりした平和で牧歌的な章です。
『おくのほそ道』 の全文朗読を、まとめて無料でダウンロードできます。現代語訳と『野ざらし紀行』『笈の小文』の朗読つき。
★サンプル音声★
【ダウンロード特典】
音声つき無料メール講座「よくわかる『おくのほそ道』」
「おくのほそ道」の見所、聴き所を音声つきでご紹介していく
無料のメール講座です。
作者の松尾芭蕉について、また時代背景などについても
詳しく、楽しく、語っていきます。
楽しみながら「おくのほそ道」や芭蕉についての知識が身につきます。
ぜんぶで15回くらいの予定です。
(不要の場合は、いつでも配信停止できます)
※メルマガ読者サービスとして無料配布するものです。
後日メールマガジン「元気の出る朗読」をお送りさせていただいています。
全て無料で、こちらからいつでも解除できます。
原文
那須の黒ばねと云所に知人あれば、是より野越にかゝりて、直道(すぐみち)をゆかんとす。遥に一村を見かけて行に、雨降日暮る。農夫の家に一夜をかりて、明れば又野中を行。そこに野飼の馬あり。草刈おのこになげきよれば、野夫(やふ)といへどもさすがに情しらぬには非ず。「いかゞすべきや。されども此野は縦横にわかれて、うゐうゐ敷旅人の道ふみたがえん、あやしう侍れば、此馬のとゞまる所にて馬を返し給へ」と、かし侍ぬ。ちいさき者ふたり、馬の跡したひてはしる。独は小姫にて、名をかさねと云。聞なれぬ名のやさしかりければ、
かさねとは八重撫子の名成べし 曽良
頓て人里に至れば、あたひを鞍つぼに結付て、馬を返しぬ。
現代語訳
那須の黒羽という所に知人がいるので、これから那須野を超えてまっすぐの道を行くことにする。
はるか彼方に村が見えるのでそれを目指して行くと、雨が降ってきて日も暮れてしまう。
百姓屋で一晩泊めてもらい、翌朝また広い那須野の原野の中を進んでいく。
そこに、野に飼ってある馬があった。そばで草を刈っていた男に道をたずねると、片田舎のなんでもない男だが、さすがに情けの心を知らないわけではなかった。
「さあ、どうしたもんでしょうか。しかしこの那須野の原野は縦横に走っていて、初めて旅する人が道に迷うことも心配ですから、この馬をお貸しします。馬の停まったところで送り返してください」
こうして馬を借りて進んでいくと、後ろから子供が二人馬のあとを慕うように走ってついてくる。
そのうち一人は女の子で、「かさね」という名前であった。あまり聞かない優しい名前だということで、曾良が一句詠んだ。
かさねとは八重撫子の名成べし 曽良
(意味)可愛らしい女の子を撫子によく例えるが、その名も「かさね」とは撫子の中でも特に八重撫子を指しているようだ。
それからすぐ人里に出たので、お礼のお金を馬の鞍つぼ(鞍の中央の人が乗るくぼんだ部分)に結び付けて、馬を返した。
解説
日光を出ました芭蕉と曾良の一行は、那須野を横切って、黒羽という所へ向かいます。
この「那須野」の章は『奥の細道』の中でも特にほんわかした、心が和む、平和な章です。心温まる地元の農夫との交わりが描かれます。
芭蕉が道端の農夫に道を尋ねます。ちょっとお尋ねします。里まではどう行くんですかな。え、このへんは道がぐちゃぐちゃしてますからね。そら地元の者でも迷うくらいだ。旅の方となると大変ですよ、
じゃあ、この馬をお貸ししますから、里についたら追い返してください。そんなこと言って貸してくれたわけです。見ず知らずの芭蕉に!
まあ、お坊さんの格好をしているから信用されたということもあるでしょうが、人を疑わない、素朴な感じ、まるで畑の横にある野菜の無人販売コーナーみたいな。古き良き日本人の美徳をここに見るって感じです。
で、また人里についた芭蕉が、この馬の鞍に「ありがとうございます」と、鞍にお礼のお金を包んだのをくくりつけて追い返すという、実にほのぼのした場面であります。
「かさねとは八重撫子の名成べし」この句は実は芭蕉が作ったものといわれています。まあ、実際どちらが詠んだというよりも、物語中の役割を、わりふったんでしょうか。
芭蕉はこの「かさね」という名前をえらく気に入ったらしく、翌年「重ねを質す」という俳文の中で、「女の子が生まれたらかさねと名付けたい」と書いています。
よほど那須野での出会いが印象深かったのでしょうか。
那須野を馬で行く芭蕉の図は与謝野蕪村が絵に描いてます。実にこれがまたノンビリと、いい表情をした、こっちの顔もゆるむような、芭蕉と曾良さんです。
『おくのほそ道』の全文朗読を、まとめて無料でダウンロードできます。現代語訳と『野ざらし紀行』『笈の小文』の朗読つき。
★サンプル音声★
【ダウンロード特典】
音声つき無料メール講座「よくわかる『おくのほそ道』」
「おくのほそ道」の見所、聴き所を音声つきでご紹介していく
無料のメール講座です。
作者の松尾芭蕉について、また時代背景などについても
詳しく、楽しく、語っていきます。
楽しみながら「おくのほそ道」や芭蕉についての知識が身につきます。
ぜんぶで15回くらいの予定です。
(不要の場合は、いつでも配信停止できます)
※メルマガ読者サービスとして無料配布するものです。
後日メールマガジン「元気の出る朗読」をお送りさせていただいています。
全て無料で、こちらからいつでも解除できます。
発売中 完全朗読版CD「おくのほそ道」
序章~大垣までの全章を、最新の考証に基づき 朗読しています。
わかりやすい現代語訳つきなので、無理なく意味がつかめます。
サンプル音声多数あります。
【詳しくはこちら】




